sometimes i wonder....
Les Femmes Fatalesによせて 《前編》
Darieさんと知りあったのはもう8年も前。
でもせっかくお知りあいになった途端、私はフランスに住む事になったので、その後は(私の筆無精もあり)交遊が途切れてしまった。
帰国後再会したのはmixiで(笑)。
その後もすぐに会ったりはしなかったのだけど(私は出無精でもある)、何とDarieさんが一昨年、私の住む街のすぐそばに越してきた。
これはこれはお会いせねば!
7年ぶりにリアルで再会した時にDarieさんに、 「せっかくのご縁だから、一緒にライヴとか出来たらいいね。」と云われた。
でもその時、私はライヴを演る自信が全くなかった。PGFのライヴはもう10年していないし、それも最後の方はほとんどがクラブ・イヴェントで、生で演ったことなんて、記憶の彼方でしかないから。
そんな中、私は10年ぶりのリハビリ(シークレット)ライヴを、国立の《奏》という、Darieさんの昔からの常連の店で演ることになった。でもここの店はピアノがないので、ピアノを弾き語るDarieさんには不向きな店。
リハビリ・ライヴで、ナマで歌うことへの恐怖を克服したので、ジョイント・ライヴ、公園通りクラシックスはどうかしら?とDarieさんに提案した。このハコは、最近私の友人ミュージシャンもよく利用していて、少人数編成の音楽だと、なかなか気持ちがいい空間だから。
2人で手をつないで公園通りクラシックスに打ち合わせに行ったのは去年のクリスマスの一日後。 年が明けたら、また詳しい打ち合わせしましょうね〜と、渋谷パルコパート1のカフェでワインで乾杯して別れた。
年が明けて、私の病気が発覚した。 ライヴのリハどころではなくなってしまったけれど、外出できない分、たくさんのCDを聴く時間ができた。

今回の歌曲のプログラムは、20ヶ月も前の2006年の秋に、ピアニストの江藤直子さんと、いつか出来たらいいね、と話していたプロジェクト。友人のクラシック歌手が歌ったプーランクのChemins de l'amourを聴いた直子さんが、「この曲、nOriちゃんが歌ってもいいんじゃない?」と言い出したところから始まった。
江藤直子さんもその昔、フランス現代曲のピアノコンサートを定期的に催していたので、フランス近代ものは彼女の好きな、得意なジャンル。最初は録音して、CDを作ってからコンサートをしよう、と何となく考えていたのだけど、最近ライヴが楽しくなった私は、ライヴを決行することにした。
そして、今回の助っ人的なゲストであるリュート奏者の近藤亘さんは、Darieさんの旧友でもあり、 10月にリハビリ・ライヴを演った店の常連でもあり、その時のライヴも観にきてくださった貴重な方。前々からリュートに興味があった私は、いつかリュートを弾いてくださいね、なんてお話していたので、思い切って今回お誘いしてみたら、OK!の返事が。
さあ、譜面との闘いの日々が!

私は子どもの頃、ピアノとヴァイオリンをさらっていたことはあるけれど、楽譜にはめっきり弱い。 譜面に関してはほとんど素人、、、と云ってもいいかもしれない。 それは小学校の頃に出遇った、パンク・ロックと、高校生の頃出遇ったダンス・ミュージック(テクノ)のせいでもある。
音楽とは学ぶものではなく、演るもの。
音楽とは習うものではなく、自己表現!
というのを子どもながらに感じてしまったので、それ以来理論やテクニックには興味がなくなった。
ドビュッシーやサティやラヴェルの曲はよくCDを聴いていたけれど、 クラシック音楽を自分で歌うということは、いままで考えたこともなかった。 しかも自分のオリジナル曲ではなく、他人の曲を歌うということは、譜面がある。 譜面がある曲を歌った経験がないので、その曲の持つリズムに身体が合うまで、かなり時間がかかる。 リズムがない、、、というのもかなりネックになっている。 いままで、私は愛するリズムボックスとともに、数々の歌を歌ってきたから。
リズムに身をまかせることができない、、、、 ものすごいプレッシャー。(2008年5月) → つづく



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